「不妊症、不妊治療について」兵庫県川西市/ふかみレディースクリニック 婦人科・産科・麻酔科(ペインクリニック)

http://www.wish-fukami.com/gynecology/0005.html

不妊症、不妊治療について

当院では、次の流れで不妊治療を進めます。

1.まず、問診により状態の把握をいたします。

2.基礎体温の測定、女性ホルモン検査、卵管通過性検査精液検査、超音波検査などスクリーニング検査を行います。

3.基上記検査で卵管閉鎖、子宮筋腫子宮内膜症などの疾患が見つかれば、内視鏡下の手術をお勧めします。
当院と関連のある施設のなかから、信頼できる医療機関を紹介いたします。

4.上記検査で排卵傷害が見つかれば「排卵誘発」を行います。

5.上記検査で精子に問題があれば、「人工授精」(自費で15,000円)または、「体外受精」をお勧めします。体外受精については、当院と関連のある施設のなかから、信頼できる医療機関をご紹介いたします。

6.特に、不妊原因が見つからない場合には、「タイミング法」を最初に試みます。

7.タイミング法のみでは妊娠に至らない場合には、排卵誘発をした上での「人工授精」(自費で15,000円)をお勧めいたします。一般的には、妊娠率がおよそ30%上がるといわれています。

8.上記方法で妊娠に至らない場合には、腹腔鏡検査により再度原因検索をすることをお勧めいたします。
※ここまでの診療は、人工授精を除いて概ね保険診療の範囲で行われます。

9.ここまでの治療で妊娠に至らない場合には、体外受精をお勧めします。当院と関連のある施設のなかから、信頼できる施設をご紹介いたします。

「頚椎症:後頭部、肩、腕、肩甲骨周辺の痛みとしびれ」兵庫県川西市/ふかみレディースクリニック 婦人科・産科・麻酔科(ペインクリニック)

http://www.wish-fukami.com/pain/0001.html

後頭部、肩、腕、肩甲骨周辺の痛みやしびれ、がんこな肩こり、手が動きにくいといった症状は老化や外傷による頚椎(首の骨)や椎間板(首の骨と骨の間にあるクッションのような役目の組織)の劣化が原因となることが多いです。頚椎や椎間板の形が悪くなるとまわりの組織や近くを通る神経に炎症や神経過敏がおこり、それにより痛み、しびれ、運動障害などの症状があらわれます。これを頚椎症といいます。痛み、しびれ、運動障害の症状すべてがあることもあればひとつ、ふたつの症状のみのこともあります。そのほか耳鳴り、めまい、ふらつき、眼痛、眼精疲労、視力障害などがみられる場合もあります。治療は炎症や痛みをなるべく早く抑え日常生活に早くもどることが目的となります。薬や神経ブロックが主な方法で症状が軽快すれば治療終了となります。症状さえ軽快すれば、麻痺症状や他の症状が進行するといった場合をのぞいて一般に手術はしません。神経は繊細ですからなるべくさわらずそっとしておくのです。頚椎や椎間板の劣化は進行することはあってももとにもどることはありません。しかし形がもとにもどることはなくても症状は消失したり軽快したりします。症状が軽快したら日常生活を楽しみ同時に軽い運動をこころがけ首に負担のかかる姿勢を避ける工夫をして症状の再発予防をします。

「痛みは我慢すべきか」兵庫県川西市/ふかみレディースクリニック 婦人科・産科・麻酔科(ペインクリニック)

http://www.wish-fukami.com/pain/0001.html

大昔、私がカナダの理学部の学生だった頃、痛みの生理学の授業中”東洋人にはあまり鎮痛剤は必要でない。必要としても白人の半分程度でいいようだ”と雑談で聞きました。それから時がたち私は日本で麻酔科の医者となりましたが、たしかに日本人(他の東洋人は知りませんが)は鎮痛剤を欧米人ほど使わないようだということをいろいろな話や場面から知りました。たとえば、他の国々と比べ日本の使用量が大変少ないモルヒネに対する一般の印象です。啓蒙により最近はモルヒネの使用量も以前に比べ増えてきているようですが、少し前までは癌患者の痛みをモルヒネで軽くすると早く死んでしまうという話をよく聞きました。”モルヒネは死を招く縁起の悪い薬なので、できる我慢はして最後に使う。”といった扱われ方です。腰痛など一般的な痛みでも薬や注射で軽くするのは根本的治療ではないので体に悪いといった話を患者さんから時々聞きます。本当にそうなのでしょうか。手術後の痛みや癌患者の痛みをモルヒネをふくめあらゆる方法で軽減することは寿命を縮めるどころか手術後の回復を格段に早め癌患者の寿命ものびるという報告があります。痛みは異常が起こっていることを知らせる役目が終わればすみやかにとりさり体に休息をとらせ快適に過ごせるようにする。そして考えられる原因を探す。それが”体にいいこと”なのではないでしょうか。しかし、痛みの原因は、はっきりと見つかり治せることもありますが、見つかっても老化現象の結果による痛みのように根本的かつ完全には治せないこともしばしばあります。原因がひとつでなく複雑に絡まってはっきりしない場合もあります。そんな場合でも使える医療技術を利用し痛みを軽減する努力をして体に休息を与えることはたとえ完治しなくても生きるうえで大切なことのように思います。

「帯状疱疹の痛み」兵庫県川西市/ふかみレディースクリニック 婦人科・産科・麻酔科(ペインクリニック)

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帯状疱疹はそもそも子供の頃にかかった‘みずぼうそう 水痘’です。神経に潜んでいた水疱瘡のウイルスが、体調不良や抵抗力の低下をきっかけに神経の走行にそって発疹と痛みをおこします。最初は皮膚が赤くなりその後小さい水疱がたくさんできます。水疱が出る前からぴりぴりとした痛みを感じその部位の感覚が鈍くなる方もいれば、水疱が出てから痛みや感覚の鈍さを感じる方もいます。子供の頃の水疱瘡と違い水疱は体の片側にだけみられます。たとえば、片方の顔面から頭部、片側の胸から背中、片腕、片方の腹部あるいは、片方の足などです。帯状疱疹ウイルスは1週間程度の抗ウイルス剤の内服や点滴により退治できます。ウイルスはほとんどの場合重症化することなく退治できますが、痛みは程度や治り方が人によって大きく違い治療が難しいこともあります。抗ウイルス剤のみで痛みが軽減することもありますし、通常の痛み止め(消炎鎮痛剤)を加えることで楽になり水疱が消えるとともに痛みも消えてしまう場合もありますが、通常の鎮痛剤では我慢できないほど痛みが強い場合もありますし、水疱が消え皮膚科に治療終了といわれた頃、急に激痛となる場合もあります。痛む期間も数週間、数ヶ月、半年以上とさまざまです。帯状疱疹にかかるということは体力がおちているということですから、痛みをとり十分に休息することが大事です。通常の鎮痛剤で痛みが取れない時や鎮痛剤を必要とする期間が長引く時は神経ブロックをします。痛みだしてから数ヶ月以内は多くの場合非常によく効きます。痛みだしてから半年以上たちますと効果が悪くなってきます。薬も通常の鎮痛剤以外に抗痙攣剤、抗うつ剤などいろいろな薬を組み合わせます。帯状疱疹は後遺症である痛みの治療がむずかしい病気です。痛みが強い場合は早めにご相談ください。

「ピルは自然に反するか」兵庫県川西市/ふかみレディースクリニック 婦人科・産科・麻酔科(ペインクリニック)

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外来でよく、避妊のためはもちろんのこと、生理痛をやわらげたり、生理の量を減らすことをねらって、ピルを使うことを提案しますが、拒否にあうことがしばしばです。いわく、薬で排卵を止めるような不自然なことはしたくない。しかし、本当に不自然でしょうか。 現代の女性は少子化のため、昔の女性に比べて生理の止まる期間が短い、つまり排卵の回数がずっと多くなっています。一回の妊娠で授乳期とあわせて2年間排卵が止まるとすると、10人出産した女性は20年間、つまり生殖期間(10歳から50歳として)の半分は無排卵で過ごしたという計算になります。それに対して、平均1人しか出産しない現代女性は、生殖期間の大半を排卵して過ごしていることになります。排卵の回数が増えて、現代では、子宮内膜症卵巣がんがふえてきているともいわれています。(実際、ピルを長期間服用することで卵巣がん罹患率が下がることがわかっています。) こうして考えてみるとピルを使って排卵を止めることは、体に悪いことではなく、あながち自然に反するともいえないのではないでしょうか。

「一卵性双生児のあいだで卵巣移植に成功」兵庫県川西市/ふかみレディースクリニック 婦人科・産科・麻酔科(ペインクリニック)

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一卵性双生児のあいだで卵巣移植に成功したことが、Sherman J. Silberらにより、ニューイングランドジャーナル誌に報告された。双生児の一人は、14歳のときに、卵巣機能不全に陥った。もうひとりは、問題なく、3人の子供を出産した。24歳になって、健常の双生児より片側の卵巣皮質が切り取られ、他方の双生児に移植された。移植は血管の吻合は必要とせず、皮質の髄質への縫合のみで行われた。移植を受けた双生児は、3ヶ月後には、月経が回復し、次の周期には、妊娠成立、38週目に健康な女児を出産した。今回の報告は、一卵性双生児間という限定された状況下での成功だが、今回の成功で、応用の可能性がひろがる。
若年で子宮癌、卵巣癌になった場合、化学療法、放射線療法をうけて、癌は克服できたが、卵巣機能が廃絶してしまうといった例が多くみられる。病気はなおったが、妊娠できなくなってしまうわけである。さらに卵巣を冷凍保存する技術が開発されれば、今回の方法とあわせて、癌の治療前に卵巣組織を保存しておき、治療後に卵巣機能を回復することが期待される。
筆者もこれまでに若年者の癌の治療を担当し、卵巣機能がうばわれることに心を痛めてきた。今回の報告が応用されるようになれば、若年の癌患者にとって福音であり、とても喜ばしいことと思う。

参考文献
N Engl J Med 2005;353:58-63
Obstetrical & Gynecological Survey 2006; 61:25-26

「頭痛」兵庫県川西市/ふかみレディースクリニック 婦人科・産科・麻酔科(ペインクリニック)

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頭痛は多くの人が経験するありふれた症状ですが種類はいろいろあります。
その中のいくつかをご紹介します。

■緊張型頭痛
もっとも多くみられる頭痛です。痛みの特徴はうずくような、しめつけるような痛みです。前頭部、後頭部、頭頂部や首の後ろ側に痛みがでます。動作で痛みは強くならず、痛いながらも仕事をすることができます。食欲不振がでることはありますが、嘔吐はしません。通常の鎮痛薬で治療できますが使用回数が多いことが続きますと耐性、反跳性頭痛(鎮痛薬の効果が弱くなっているが、やめると痛みが強くなる)、薬物誘発性頭痛(鎮痛薬を内服していても1日中痛い)といったむずかしい副作用がでます。頭痛回数が多い場合は、予防薬内服、カフェインを避ける、規則正しい生活、適度な運動をくみあわせ、頭痛回数を減らすことが重要になります。

片頭痛
頭痛の程度は緊張型頭痛より重い傾向があります。動作で悪化するため生活に支障をきたします。名前は片頭痛ですが、かならずしも一側性の頭痛ではなく両側性のこともあり、片方からはじまり頭全体にひろがることもあります。悪心、嘔吐、光がつらい、音に敏感、においが気になるなどさまざまな症状が頭痛とともにあらわれます。片頭痛患者の2−3割の方に頭痛の前、5分から20分程度続く“前兆”とよばれる症状があらわれます。視覚的なものでは光がフラッシュする黒いジグザグがみえる、感覚的なものは顔や手がひりひりする、しびれるといったもの。かたこりのような前兆もあります。女性は片頭痛発作が月経周期に連動する傾向があり、排卵日や月経初日前後におこることが少なくありません。軽い片頭痛には通常の鎮痛薬でも効果があります。あまり効かない場合は、トリプタン製剤とよばれる鎮痛薬がより効果があります。緊張型頭痛と同様、鎮痛剤使用回数が多いと難治性の薬剤誘発性頭痛、耐性、反跳性頭痛がおこりますので予防薬を内服し規則正しい生活を心がけるようにして頭痛回数を減らす必要があります。群発頭痛片方の眼窩や側頭部に突然激烈な痛みがきます。頭痛発作は15分から180分程度続き2日に1回のこともあれば1日に8回もおこることもあります。痛い側の目が充血する、涙や鼻水がでる、まぶたがさがるといった症状を伴います。群発頭痛の9割は1ヶ月から3ヶ月の群発期と呼ばれる発作が続く時期とその後1ヶ月から数年にわたる頭痛のない寛解期を繰り返します。頭痛は激烈なため群発期には予防的治療が必要となります。予防には一般的にステロイド剤、血管拡張剤、抗痙攣剤を使います。頭痛発作時にはスマトリプタンの自己注射が速効性で効果的です。

どの頭痛もアルコールにより悪化しますので、頭痛時には飲酒をさけましょう。